2016年1月30日(土) 13時〜
大塚製薬グループビル 7F会議室
〒812-0023 福岡市博多区奈良屋町13-13
TEL:092-291-0101
奥田 康司(久留米大学 外科学講座 肝胆膵外科部門 教授)
「継承と革新」
肝臓外科は高度な技術、経験、知識が必要とされる専門性の高い領域です。先達の先生方が切り開いてこられた世界に誇る日本の肝臓外科のエッセンスを後進に継承し、若い先生方が新たな時代に羽ばたいていくことを期待して上記テーマといたしました。
原発性、転移性進行肝癌治療において、近年外科的治療も集学的治療の一つとして重要な役割を担うことが期待されている。しかし、その方法論は施設により大きく異なり、ビッグデータでのエビデンスの高い報告は見当たらない。また、進行癌の切除は技術的にも困難な場合が少なくなく、切除の安全性と確実性の担保は進行癌治療介入への重要な課題と考える。当研究会では各施設における進行肝癌の治療戦略と手術手技の工夫を報告していただき、今後の方向性を議論していただきたい。
肝細胞癌に対する「系統的切除vs部分切除」は、過去30年間の議論の的で有り続けながら結論が出ていない。担癌門脈領域切除が必要か否かは鏡視下手術や局所焼灼療法の適応にも関わる大きな課題と考えられる。2年前の当研究会では、多角的な分析によるディベートが行われたが、今回もさらに多くの施設から「系統的切除vs部分切除」を多方面から追求した発表と議論をしていただきたい。
鏡視下肝切除/焼灼術は低侵襲手術として患者へのメリットが強く実感され、近年著しい勢いで普及してきた。一方で、肝胆膵外科領域における鏡視下手術の医療事故は社会的に大きく取り上げられ、医師の倫理観をも問う問題となっている。本研究会では、鏡視下手術の「落とし穴」と安全に行うための要点をビデオで示していただき、今後のより安全な鏡視下手術の実践に役立てたい。