この度、第37回の九州肝臓外科研究会のお世話をさせていただくことを大変光栄に存じます。
本研究会は先達の先生方から脈々と引き継がれてきた会で、九州の肝臓外科の歴史そのものと感じております。この会が若手の育成・飛躍を期するものとして新たな出発をして5年目となりますが、本研究会が果たす役割はますます大きくなっていると実感しております。一方で、肝臓外科は高度な技術、知識、経験が必要とされる専門性の高い領域で、先人が切り開いてこられた世界に誇る日本の肝臓外科のエッセンスの継承も重要なことと考えています。若い先生方が新たな時代に羽ばたいていくことを期待して、「継承と革新」をテーマに今回の企画を考えました。
肝癌の治療は切除のみならず、多くの治療法が導入されそれぞれに進化した治療法として確立されてきております。それらの治療を組み合わせて集学治療として進行癌に立ち向かう力が出来てきたという実感もあり、企画テーマ1とさせていただきました。系統的切除vs部分切除は、30年来の不毛の議論でありながら、今後の鏡視下手術、焼灼術や粒子線治療の適応に関わる大きな問題と考え、2年前に引き続き企画させていただきました。企画テーマ3は、急速に普及してきた内視鏡手術の医療事故に鑑み、安全な普及こそが最も大事という観点から、ピットフォールを共有したいと考え企画しました。
本研究会に、数多くの施設から、多数の肝臓外科を志す先生方が集まり、活発な情報交換の中で新たな時代へのいぶきを感じていただければ幸いに存じます。
また、会の終了後に懇親会を予定しています。九州の肝臓外科医の親交を深め、まとまりをつくるためにも是非ともご参加を賜りますようお願い申し上げます。