この度、平成31(2019)年1月26日(土)に開催されます第40回の九州肝臓外科研究会学術集会の当番世話人を拝命し、大変身に余る光栄に存じますとともに、本会の関係各位に深く感謝申し上げます。
本研究会は昭和58年に設立され、先達の先生方から脈々と引き継がれてきました。平成24年の第33回からは組織改変が行われ、藤岡ひかる代表世話人を中心に、九州の若手肝臓外科医の育成・飛躍を目指す会へと目覚ましい発展を遂げました。そして、平成30年2月より新しい代表世話人の江口 晋先生がバトンを引き継がれ、平成での最後の九州肝臓外科研究会学術集会を向かえることとなりました。
本研究会は歴史と伝統のある研究会であるとともに、肝臓外科の将来を見据えた研究課題に着々と取り組み、多施設共同研究により多くのエビデンスを九州から発信してきました。また、肝臓外科は高度な技術、知識、経験が不可欠な専門性の高い分野で、新元号に変わった後も、本研究会が果たす役割はますます大きくなっていくと確信しております。世界に名だたる日本の肝臓外科の伝統を十分踏まえた上で、若い先生方が新たな時代に羽ばたいていくことを期待して、「平成からの飛翔」をテーマに今回の企画を考えました。
今回も日本内視鏡外科学会技術認定医や日本肝胆膵外科学会高度技能専門医を目指す若手肝臓外科医のために、それぞれ、教育ビデオセッション(腹腔鏡下肝切除)と主題1(開腹高難度肝切除)を企画いたしました。
教育ビデオセッション(腹腔鏡下肝切除)では、指定演者の先生方にビデオを示していただき、日本内視鏡外科学会技術認定医を目指す若手の先生方との忌憚のない情報交換を目指します。ただし、主題1(開腹高難度肝切除)では指定演者による基本手技のプレゼンテーションだけではなく、公募も含め、こうしておけば出血や合併症(肝不全、術後胆汁漏等)が防げたかもしれない症例なども是非皆様と共有し議論を進めさせていただきます。
一方、腹腔鏡下肝切除術においては、施設限定ではあるものの平成29(2017)年4月より高難度肝切除手術まで保険適応となりました。主題2(腹腔鏡下高難度肝切除)では、各施設から最先端の腹腔鏡下高難度手術の技術を提示していただき、手術手技の普遍化・一般化にお役に立てばと思います。特に腹腔鏡下高難度肝切除術において「この点がまずかった(この点がよかった)」とか「こうすればよかった(こうしたからよかった)」などの示唆に富む具体的な映像を提示していただけたらと思います。
一方、これらの高難度肝切除であればこそ起こり得る術後合併症への対策も重要と考え、特に難治性胆汁瘻に着目してみました。主題3を「術後胆汁瘻に対する治療戦略」として企画しました。各施設の治療方針と治療成績を述べていただければと考えております。特に、難治性胆汁瘻で苦労された症例(どうしても止まらない胆汁瘻をどうされているのか?)をご提示いただき、対応策を議論できればと思い企画いたしました。
このような主題以外の一般演題も大歓迎で、数多くの施設から肝臓外科に携わる先生方にご参加いただき、活発な情報交換を通じて新時代(平成最後の学術集会です)へ向けての肝臓外科の方向性を肌で感じていただければ幸いに存じます。
また、研究会終了後に例年通り、懇親会を予定しています。九州・山口の肝臓外科医のこれまで以上の親交を深めていただければと思っておりますので、是非ともご参加御願い申し上げます。