第35回九州肝臓外科研究会学術集会
当番世話人ご挨拶 第35回九州肝臓外科研究会 当番世話人
九州大学 消化器・総合外科 准教授
調  憲

第35回の九州肝臓外科研究会の当番世話人を拝命し、2014年2月1日(土)に会を開催させていただくことになりました。伝統ある本会の当番世話人にご指名いただき、心より感謝いたします。本会は歴史と伝統を引き継ぎながら、若手を中心した会として新たな出発を切り今回で3回目となります。

前回、前々回は楽しく、同時に勢いを感じる研究会となりました。このような流れをさらに加速したいという思いで、今回の企画を考えました。また、企画にあたっては、前回までの研究会では広い領域を網羅した内容でしたが、今回は5つのテーマに絞ってみました。それらは次の通りです。

テーマ1.忘れえぬ症例の振り返り、2.合併症の経験の共有:難治性胸腹水、3.術後管理の標準化:肝切除後ドレーン、4.ディベート(演者指定):肝細胞癌の切除における標準術式は系統的切除である、5.腹腔鏡下肝切除―みんなに教えたい私の工夫(ビデオ)。

テーマ1ではそれぞれの施設の忘れられない教訓的な症例を提示していただきます。誇らしい症例、逆に思わぬ不良な経過を辿った症例、未だどうすべきだったのか自分の中で決着のついていない症例などを提示していただき、参加者全員で考えたいと思います。テーマ2では難治性胸腹水の予防法や管理などについて経験を共有したいと思います。3では肝切除後ドレーンについて取り上げます。本年発刊の肝癌診療ガイドラインでは肝切除後のドレーンは必ずしも必要ないとされました。現時点ではドレーンの適応、抜去の基準、タイミングなど施設間で異なる可能性があると思いますので、経験に基づいた議論を希望します。テーマ4はディベートです。本テーマの目的は勝ち負けではなく、最新のエビデンスをあらためて確認し、標準術式を考える中で、系統的肝切除がどのように位置づけられるのかもう一度深く皆で考えることとしたいと思います。テーマ5では腹腔鏡下肝切除を取り上げます。進化し続ける腹腔鏡下肝切除が容易に安全に施行できる工夫について提示していただきたいと思います。

先生方の日頃の診療を改善していくヒントとなりますように準備をさせていただきたいと思います。また、肝臓外科を志す皆のつながりや友情をさらに深めるために、会の後の懇親会も予定しております。

活発な討議による実りの多い研究会とするために、一人でも多くの先生方にご参加を賜りますようお願い申し上げて、ご挨拶とさせていただきます。