会長挨拶

第65回日本社会医学会総会

会長 石竹 達也

久留米大学医学部環境医学講座 教授

第65回日本社会医学会総会の大会長として、皆様にご挨拶申し上げます。この度は、2024年8月24日から25日にかけて、久留米大学医学部旭町キャンパスにて開催される総会にご参加いただき、心より歓迎申し上げます。この時期の九州はまだ暑さが厳しいため、皆様には暑さ対策を十分にご配慮いただきたく存じます。会場内では涼しい場所や十分な水分補給の設備を用意しておりますので、どうぞご安心ください。今回の総会のメインテーマは、「地域と連携して社会の健康を考える」としました。

メインプログラムでは以下の内容を予定しております。

1)特別講演:
千葉大学の近藤克則先生から「HPH(Health Promoting Hospitals and Health Services)の役割とその進化、将来の展望」について、今年の11月(6日〜8日)に広島で開催予定の第30回国際HPHカンファレンスのプログラム委員長でもある先生より、わかりやすくお話していただきます。

2)教育講演:2題
① 慶応大学の伊香賀先生による「住環境と健康」に関する講演を予定しております。ウェルネスに基づいた建築設計と、エビデンスに基づいたその実践について学びます。
② 早稲田大学の吉江先生による「コミュニティー・コンピューティングと合意形成」に関する講演では、現代においては人だけでなく、ハードウェアやソフトウェアもネットワークで結ばれ、相互にコミュニケーションを行っています。コミュニティ・コンピューティングの研究では、このコミュニケーションの過程を工学的に解析し、構築することを目指します。今回の講演では特に、「合意形成」の実践的な側面に焦点を当てます。さらに、Web3.0、人工知能(AI)、デジタル・トランスフォーメーション(DX)といった最新のトピックとも関連付けて議論を進めていきます。

3)メインシンポジウム:
昨年5月に5類感染症に区分変更された新型コロナウイルスですが、過去3年以上にわたり多大な影響を与えてきました。パンデミックから得た教訓を生かし、短期的および長期的な社会への影響を分析し、情報リテラシーや将来の健康危機への備えについても議論する予定です。
もうひとつのシンポジウムは「社会的処方の今後の展開」を準備中です。ご期待ください。

最終的に、この学会を通じて、地域社会の健康課題に対する深い理解と、それに対応する具体的なアイデアや解決策を共有し、議論できればと考えています。参加者が学んだ知識を地域社会へ還元し、より健康で持続可能な社会構築に貢献できることを期待しています。さらに、総会前後には九州の他の魅力的な場所を訪ね、地元の料理や文化を楽しみながら、参加者同士の交流を深める機会を提供いたします。久留米の地は九州内を移動するのに便利であり、この機会に他の地域の魅力も存分にご堪能いただけることを願っています。

みなさまのご参加を心よりお待ちしております。