大会長挨拶

この度、第15回日本レックリングハウゼン病学会を、2024年2月11日に佐賀大学医学部臨床大講堂で開催することになりました。九州での開催は2020年第12回福岡大学での開催以来2回目となりますが、現地での開催は初めてです。日本レックリングハウゼン病学会は、神経線維腫症1型(NF1:レックリングハウゼン病)の病因・病態、診断、治療などについて、基礎医学から臨床医学まで関係する多職種、多診療科が一堂に集い、患者団体とともに、治療・マネジメントの発展と知識の普及・啓発に貢献することを目的に設立されています。本学術集会では「神経線維腫症1型の包括的診療:Comprehensive care for NF1 patients」をテーマとして掲げました。NF1の患者さんひとりひとりを、社会的背景を含めて包括的に理解し、多職種、多診療科で協力して支援していくことを目的としたいと思っております。

NF1診療においては、叢状神経線維腫に対するMEK阻害剤セルメチニブの治療が導入され、治療が大きく変わりつつあります。招待講演では、この新しい治療法の開発に長年関わってこられた第一人者で、米国のNational Cancer Instituteの小児腫瘍部門長のBrigitte Widemann先生に叢状神経線維腫の治療についての最新の知見について解説いただく予定です。

シンポジウムでは、「多職種・多診療科によるNF1の包括的診療」と「NF1の移行期医療」の二つをテーマに取り上げました。今回は、患者会からのお話を伺う機会も設けていて、今後のより良い包括的なケアについて、参加された皆様と一緒に考えていければと思っております。

佐賀は、風光明媚な海岸線が続く北部と遠浅の広々とした干潟の広がる有明海に挟まれた自然豊かなところです。近くに武雄温泉、嬉野温泉などもあり、佐賀牛をはじめ唐津のイカや竹崎蟹などおいしい食べ物と「鍋島」「天山」などおいしい日本酒も楽しめます。ハイブリッドでの開催を予定しておりますが、新型コロナも5類になり、今回は翌日も休日ですので、是非、現地、佐賀へお越しいただき、顔の見える交流と活発な議論を通して、実りある学術大会にしたいと願っております。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

第15回日本レックリングハウゼン病学会学術大会 大会長
佐賀大学医学部小児科 教授
松尾 宗明